アトリエバラの冬作業

バラの剪定と誘引【春の風景づくり】アトリエの冬作業より

アトリエの冬作業では、フェンスの作り替えに芝生の刈り込み、バラの剪定と誘引、植え替えに土壌の見直しなど、春の風景を形にする準備を行います。

誘引作業では、立体間のある仕立てを意識しています。

冬作業へ取り組む前に

ここしばらく、アトリエの取り組みにモチベーションを上げる事が出来ずにいますが、その要因になっている「アトリエの老朽化問題」についてお話を少し。

アトリエはもともと古い建物(借家)なので、当初から気になる箇所はありましたが、ここ数年で老朽化による変化が大きく表れており(詳細は省きます)あまり長く住めないのではないかと感じたことで調子を崩してしまいました。

相談はしていますが(保留中)古い家なのでどうなるのか分かりません。修繕される場合でも一時的に空けることになるでしょうし、バラの移動や庭の縮小が必要になるのかも知れません。結果か出ても出なくても頭を悩ませることになるでしょう。夏ごろにアトリエの更新なので、進展があればお知らせしたいと思います。

変化を感じながら1年半ほどが経過し、2年でも3年でも長く住めたら良いなと思いながら、いっそのこと住居とは別で「バラの庭をつくれる場所を探して見る」と考えられるくらい、気持ちの整理も付きました。

まだ何も決定していませんが、冬作業が落ち着いたら、場所探しのリサーチをして見ようかなと。

という背景があり、ブログやインスタの更新は激減してしまいましたが、仕事には通常通りに取り組んでおり、体調も悪くありませんのでご心配なくです。少しでも身軽にして置こうと始めた断捨離は継続(1年半)しています。

開始が遅れてしまいましたが、冬作業にも取り掛かりたいと思います。今季はエクステリア(必要最低限)の補修に、新しい風景の組み立てと仕立てを試して見るつもりです。

ゲート周りの作り替え

今季の冬作業は、経年劣化が深刻な状態となり先延ばしすることの出来ない、ゲート周りの作り替えから作業に入ります。

木での施工も考えましたが上記の問題もあるので、よりライトなプラン、アイアンアーチへの入れ替えを選択しました。

バラの庭あるある

ゲート周りは、倒れそう(崩れそう)な状態ですが、倒れていないのは「バラの庭あるある」のひとつ、誘引されている枝に支えられているからでした。

それもギリギリのところなので、長くは支えていられないでしょう。

1. バラの枝を外す作業

木製アーチからバラの誘引を解き、前方のパイプアーチに枝を借り止め、柱の倒壊にバラを巻き込まないよう注意し、解体へ進みます。

奥に見えるアーチ(2連)も後ほど解体します。

2. 木製エクステリアの解体

バラを傷めることなく、アーチとフェンスの解体に成功しました。扉回りは使用出来そうなので残しています。

加工台で組み立ておいた、アイアンアーチの設置へ進みます。

3. アイアンアーチの設置

2年前に取り入れているアプロー奥のアーチ(黒)が、柱を取り込むイメージ通りの形状なので同じものを取り寄せています。

植物を取り込む設定だったと思いますが、柱が丁度で収まりました。

アプローチ奥のアーチ(黒)

アプローチを進んだ先にある、アーチ(黒)がこちらです。

今季の誘引で枝いっぱいのアーチへ変ると思います。

4. アイアンとスチールのフェンス

アーチの袖にフェンスを設置し、一段低いスチールのフェンスを合わせて見ました。

枝を賄える範囲は木製フェンスと変わりませんが、誘引し易くなり、流れのある雰囲気をつくれそうです。

アーチとフェンスの設置が終わり、アプローチを進んだ奥の木製アーチ(2連)を解体しました。

こちらは解体を見据えスチールのパイプアーチを添えているので、色の塗り替えのみで完了します。

5. アイアン制エクステリア

白のフェンスとパイプアーチを黒に塗り替え、ゲート周りの作り替えが完了しました。

アイアンのフェンスやアーチなどのエクステリア資材は、合わせながら庭をつくるスタイルに適しており、以前より取り入れるケースが増えています。
》ゲート周りの誘引を終えた雰囲気はこちら

パーゴラと窓周り(ジプシーボーイ)

アイアンゲートの奥にあたる、パーゴラと窓周りの風景をつくるバラ(ジプシーボーイ)の誘引作業に取り掛かります。

昨季は調子の良くないシーズンにしてしまいましたが、花後から調子が上向き、成長期には勢いのある新しい枝をたくさん伸ばしてくれました。

花後から秋までの管理では、雨風の当たりにくい軒下のため、発生し易い「葉ダニとうどん粉病」への対処、新しく伸びて来た「枝の保護と流れの調整」を取り組みのポイントにしています。

1. 誘引の解しと剪定

パーゴラ前への出入り口は1ヵ所のみなので、脚立をならべると動きが制限されてしまい、誘引を解いて枝を広げたところから、より作業し難い場所になります。

前方のアーチとフェンスの誘引作業を同時に進め、裏面から仕立てられる枝に手を入れて置きます。

剪定を加えながらパーゴラから誘引を解き、おおまかに枝の流れで振り分けました。

ここからは伸ばしたいところに届く枝を軸として流し、誘引を進めながら枝の量を調整して行きます。

2. パーゴラ(壁面)への誘引

パーゴラ(壁面)への誘引がおおむね終わり、状態の良い枝を全体に振り分けることが出来ました。

昨季もそれなりの形には仕立ていますが、誘引の段階で調子の悪さを感じており、開花までの押上も期待に及ばず・・という結果でシーズンを終えました。

3. 窓周りの風景設定

これまで思うような風景をつくれていない窓周りですが、昨季よりも良い枝を流すことが出来ました。

枝の量は多くありませんが、他のバラと合わせた雰囲気を考えているので、ひとまずの仮止めです。

右の枯れ枝は支柱として利用しています。

4. パーゴラと窓周りの誘引

パーゴラ側の誘引と同時に進めていた、アーチからフェンスに掛けての誘引作業も完了しました。

手の届くところの花はいつでも切れるので、今季は何となく。

5. アーチとフェンスへの誘引

アーチに回したいバラが調子を落としているため、少ない枝で仕立てており、春までの押上に期待したいところ。

剪定と合わせ、施肥や土壌の見直しから、調子の向上(春までの押上げ)を図ります。

木製だった以前のゲートよりも誘引の設定が組みやすくなったので、枝は多くありませんが、よりイメージに寄せ仕立てることが出来たように思います。

エントランスゲート(つるボニー)

エントランスゲートの風景をつくるランブラーローズ(つるボニー)の誘引作業に取り掛かります。

枝を誘引するスペースが狭いため、品種の特性から見れば樹勢を抑え込むような形で形をつくることになり、その分の反動と道路に面している事を合わせ、アトリエのなかでは、枝を整える回数の最も多いバラになります。

1. 誘引を外して枝を解す作業

ひと通り葉を落とし終え、枝の様子が伺えるようになりました。ここからは誘引を解きながら、見切れる範囲で枝を減らして行きます。

昨季は良い枝が少なく形をつくるのに苦労しましたが、状態の良い枝がまずまず増えました。

カミキリムシ幼虫による被害確認

ゲート上部の枝から木屑らしきものが目に付いたので、カミキリムシへの対処用具を持ち出して調査を開始。

調査の結果は・・ ゲート(木)傷みの出ている場所をアリが住みかにし、排出した木屑が枝の下に堆積していたものでした。

2. 枝の流れと振り分け

剪定を加えながらゲート周りの誘引を解き、枝の流れをおおまかに振り分けました。

開始が遅かったので微妙なところでしたが、切りの良いところまで進めることが出来ました。ひとまず束ね、翌日の作業に。

3. ハーフドーム仕立ての誘引

まとめていた枝を解し、ここからは伸ばしたいところに届く枝を流れの軸とし、誘引を進めながら枝の量を調整して行きます。

風景の設定は、枝のみで形をつくる「ハーフドーム仕立て」の誘引になり、今季はまずまず良い感じでまとめられました。

右の枝が跳ねている場所は、次の作業に合わせて手を入れます。

4. ゲート周りの誘引

ランブラーローズの誘引作業を終え、エントランスゲート全体に状態の良い枝を広げることが出来ました。

こちらのつるボニー、花後の手入れは先に話した通りですが、開花までにも結構伸びて来るため、イメージとする形に収めるには、脚立を持ち出し1.2回は手を入れます。
》エントランス周りの誘引を終えた雰囲気はこちら

昨季シーズンのエントランスゲートより

フロントフェンス(つるアイスバーグ)

エントランスゲートと並び、外側の風景をつくる、ウッドフェンスの誘引作業に取り掛かります。

アイスバーグはフェンスの裏に植わり、上部から表側へと枝をまわしているため状態の良い枝が少なく、細枝を戦力として活用します。

1. ハツユキガズラの刈り込み

ブロックをカバーしているハツユキカズラですが、ツタなので刈り込み後には(途中で切れて)枯れ込みが出てしまいますが、そのあたりを差し引いても、手早くまとめられる電動バリカンでの刈り込みにメリットを感じています。

フェンスにもどんどん絡んで来るので、年に数回は刈り込んでいます。

2. つるバラの2本体制

枝の誘引を解きながら葉を落とし、枝の全体量が伺えるようになりました。

古株のアイスバーグが調子を落とし始めて数年、今年も枝を減らしてしまいましたが、枯れ込みの進行を想定し、補助として植え込んだもうひと株が成長を見せ、サポートに回せるくらいに枝を伸ばしてくれました。

多くは細枝になりますが、伸ばしたいところに届く枝を流れの軸として、バランスを図りながら誘引を進めて行きます。

シャクトリムシの擬態

気になる向きの枝だな・・ と思いながら鋏をあてたところ、シャクトリムシでした。

年に2回くらいあります。

3. フェンスへの誘引

樹勢を落としている古枝よりも樹勢を感じる細枝を活用し、量は多くはありませんが全体に枝を流すことが出来ました。

2本目にあたるサポートのバラが、枝を伸ばしていなかったら厳しかったと思います。

つるアイスバーグは、基本的にはフェンスの上部から表側へ回していますが、風景を支える枝として何ヵ所かはフェンスの間を通しています。

ゲートから流れてくるランブラーローズ(つるボニー)と枝の重なりを調整し、上部の残して置いた枝も誘引しました。

4. エントランス周りの風景

道路に面する、エントランスゲートからフェンスに掛けての誘引作業が完了しました。

エントランスゲート(つるボニー)の仕立ては昨季よりも良い印象で、アイスバーグもそれなりには形になると見ています。

パーゴラ(マダム・イザーク・ペレール)

次の作業は、フロントガーデンから中庭へのゲートにあたる、パーゴラのマダムイザークペレールの剪定と誘引に取り組みます。

冬作業(今季)のレポートは、こちらのページに追加して行きます。