バラの冬作業では、枝の誘引に剪定、土壌の見直しや施肥など、春の風景を形にする手入れを行います。
夏から秋にかけての手入れと、冬の作業をご予定している武蔵野市のガーデンへ。
エントランスのつるバラ
カミキリムシによる被害の多かった秋の手入れでは、8本のバラから幼虫(10カ所)を駆除しています。
まずは、その後の被害が出ていないかの確認と、自己治癒の様子を見て回ります。
ザ・ウエッジウッド・ローズ
土壌の見直し効果が表れ、ここ数年では見られなかった調子の良さが伺える、ザ・ウエッジウッド・ローズ。
葉落と小枝を落とし枝を選別
壁面からポーチに掛けて誘引している、つるアイスバーグから手入れを開始。
枝の取り回し方向が限られているので、枝が重なり過ぎないようにバランスと量を調整します。
枝を解し組み換えるところで、裏に付いているカイガラムシを落とします。
カミキリムシの幼虫
アイスバーグの手入れに取り掛かるなか、株元から1mほど上の枝にカミキリムシ(テッポウムシ)幼虫の気配を感じる木屑が見つかりました。
秋の管理では株元から2匹の幼虫を駆除しており、多少遅れて孵化したと思われる3匹目になります。手入れを区切れるところで駆除にあたります。
食害を受けていた範囲は60cmほどになり、ピンポイントで幼虫(#11)を排除できました。
仕事では経過を観察できないケースが多いので、目視による駆除を優先としています。
幼虫のサイズは「中の下」あたりでしょうか。それなりの食害を受けていますが、枝の枯れ込みはないと見ています。
9月に幼虫を駆除している株元では、自己治癒が進んでいました。
嫌な位置への食害だったので(しかも2匹)9月の段階で処置されていなければ、目を背けたくなるような被害になっていたかも知れません。
枯れてしまったバラ
こちらは、過去(ウッドチップスで手入れをお受けする以前)に受けてしまったダメージを引きずりながらも長い間頑張ってくれた「春風」ですが、調子を持ち直すことは叶わず枯れてしまいました。
今回食害を受けている箇所場所以外では朽ちが進行しており、根もほとんど残していなかったので伐根も難しくはありませんでした。
- バラの状態から枯れ込みを予想し、数年前に風景を代替するバラを植え込んでいます。定着までに時間が掛かりましたが来季には風景の一部に加わってもらえそうです。
春風だけで何匹の幼虫を退治したかは覚えていませんが、伐根に合わせ最後の幼虫(#10)を取り出しました。
バラの風景を深めて行く上で、カミキリムシの幼虫による被害への対処(駆除)は、外せない管理と考えており、ウッドチップスで取組む全ての作業に取り入れています。
壁面への誘引
状態の良い枝を減らさないよう重なりを緩和し、ポーチから壁面まで枝が広がりました。
良い枝があればそうでもない枝もあり、状態とバランスを図りながら枝を誘引し春の形をつくります。
庭の裏側へ
フロント面の手入れを終え、植木の刈り込みを行いながら庭の裏側へ。
ティージング・ジョージア
壁面のメインだったピエールドゥロンサール(右)の調子が上がってこないため、ここ数年で樹勢を上げてきたティージングジョージア(左)の枝を広げ風景をカバーする形になります。
裏側は並びのバラ3本から、4匹のカミキリムシの幼虫を駆除しています。調子の上がらない要因ではありますが、それだけではないと思われるので、観察をしながら改善策を講じています。
フロントガーデンのバラ
レイズドベッドのレイニーブルーは、フロントのより前面へ植え替える予定となり、冬の手入をひとまず保留に。
ナエマ
カミキリムシ幼虫による食害を受け続け(今季は1匹)調子を落とし気味のナエマです。
株元から少し上がった古枝から、期待したい芽の動きが見られました。こちらも観察の対象に。
フェンスの設置とバラの植え替え
次回の作業では、フロントにアイアンのフェンスの設置、レイニーブルーほか数本の植え替え作業を予定しています。
- 2月ごろの作業レポートは、こちらのページに追加して行きます。