バラの害虫【カミキリムシの幼虫】被害と対処

このページでは、カミキリムシによる被害と対処についてご案内しています。

カミキリムシ幼虫への対処は、6月~3月ごろに取り組みます。

カミキリムシによるバラへの被害

作業時季 6月~3月ごろ
バラが調子を落としてまう要因のひとつに、カミキリムシの幼虫による被害(食害)があります。

バラの天敵とも呼べる害虫への対処は、ウッドチップスで力を入れている取り組みのひとつです。データを基にした見回りから対処にあたり、バラへの被害を抑えます。

カミキリムシの成虫(庭の見回り)

作業時季 6月~8月ごろ
バラの手入れをしているところで、飛来してくるカミキリムシの成虫を目にすることは珍しくありません。

また、食害された枝が目についた場合には、カミキリムシ発生シーズン到来を意味します。しばらくは成虫との遭遇を意識し、庭の見回りを増やされることをおすすめします。

枝の上部や足元で成虫を見かけた場合には、すでに産卵されているケースが考えられますが、とり逃さないように対処し被害の広がりを抑えます。

カミキリムシの幼虫(初期)

幼虫の発生時季に入り、バラの株まわりで食害による木屑(排出痕)を発見した場合には、庭全体の見回りを行い被害状況の確認に努めます。

幼虫の気配を感じる箇所に目星をつけておき順次対処にあたります。1センチにも満たない幼虫による食害は、まだまだ軽微と呼べる被害です。

幼虫を駆除したのち食害により削られた場所は、バラの自己治癒により数週間ほどで修復されるケースも多いです。

複数の幼虫がいるケース

上の写真は、1本のバラから2匹の幼虫を駆除した翌日、新たな木屑(排出痕)を発見したケースになります。

1本のバラに複数の幼虫が発生するケースは珍しいことではなく、3~5匹の幼虫を駆除することもあります。

孵化の時間的な差や複数の成虫による産卵時期の開きがあるため、1回の取り組みでは対処しきれないケースも多く、駆除した後も見回りを継続します。

枝の上部に幼虫がいるケース

株まわり(根元)に比べ確率は低めですが、大きく育ったバラは枝の上部に産卵されてしまうケースがあります。

壁面の高い位置に誘引している枝など、目につき難い場所の場合は発見も遅れてしまいますが、枝に手が入る季節管理の作業から、全ての葉を落とし枝の調整を行う冬作業により、おおむね対処に至ります。

カミキリムシの幼虫(中期)

作業時季 9月~11月ごろ
初期の幼虫から数倍ほどに育った個体が多くなり、バラが受けた被害も大きくなっています。

この時季に駆除することが出来れば、まだ被害を抑えられていると言えるケースが多いですが、食害を受けた場所やその受け方によっては、大きなダメージへつながってしまう場合もあります。

食害による被害と幼虫の個体差

バラへの食害が進行し被害は大きくなっていますが、木屑の排出量が増えることで発見につながる確率も高まります。

摂取環境などから幼虫の大きさには個体差があり、9月に大型の幼虫を駆除することがあれば、2月に小さな幼虫を駆除するケースもあります。

幼虫による株への被害

上の写真は、秋の季節管理(10月上旬)作業にて、大型の幼虫を駆除したケースになります。

食害による穴は塗布材剤を用いてふさぎ、雨や土、害虫の侵入による2次被害を防ぎます。

食害痕には、ダンゴムシやアリ(その他の虫)が住み着き、さらに土が入り込むと朽ちにつながる場合もあります。

カミキリムシの幼虫(後期)

作業時季 12月~3月ごろ
季節管理の集大成となる、バラの冬作業時季に入ります。

清掃や施肥など株に近い距離での作業に合わせ、木屑(排出痕)や枝葉の状態変化を見逃がさず、確実な駆除へつなげます。

バラの冬作業時には、幼虫の発生時季から半年前後の時が経過しており、被害の深さに比例し大きな個体が増えています。

それでも成虫になるまでに半年前後の時間があるので、早い時季での対処とはいえませんが、被害を食い止める最終時季の対処として取り組みます。

バラの自己治癒(修復)

カミキリムシ幼虫を早期に排除し、被害を小さく抑えられている場合には、バラの状態にも寄りますが、おおむね短期間で治癒されます。

株周りの治癒(複数個所)

アトリエの庭にある小さな家のつるバラは、手入が困難な場所に植わっているため、カミキリムシの発生時季から幼虫の駆除が落ち着くころまで、対処を遅らせてしまわないよう、意識を高めた見回りを行っています。

多い年では3匹~4匹と、これまでに10匹を超える幼虫による被害を受けていますが、早期発見からの対処につなげられており、ダメージを引きずることなく春には沢山の花を咲かせています。

色の異なるカルスによる修復痕は、しばらくすれば一見では分からないほどに馴染みます。

成虫の飛散した穴がいくつも見受けられるようなバラの場合には、株の状態が通常とは異なるため対処が困難となるケースがあります。

枯れてしまったバラの株

カミキリムシの幼虫により、株に大きな被害を受けてしまった場合には、状態の立て直しに多くの体力と時間を要します。立て続けに被害を受けてしまえば修復が追いつかず、樹勢を落とし、枯れずとも花の少ない株になってしまうケースがあります。

また、一度の被害でも食害された場所が悪く、成長しながら傷み(朽ち)が広がってしまうケースがあります。復調の様子を伺わせながらも花が少なく、枯れ込む枝が増えるなど、状態の安定しないシーズンがしばらく続き、体力の消耗が大きな時季(芽吹き・開花前後)に限界を迎えてしまうことがあります。

株の部分的に残せた箇所(半分・派生部分)から、樹勢を感じる新しい枝(ベーサルシュート)を伸ばし、新たな風景が形成されるケースもあります。

接ぎ木のバラが枯れており、新しい枝が台木(ノバラなど)ベーサルシュートの場合もあります。

作業のご相談について

バラの風景を深めて行く上で、カミキリムシの幼虫による被害への対処(駆除)は、外せない管理と考えており、ウッドチップスで取組む全ての作業に取り入れています。

カミキリムシの幼虫による被害への対処は、スポットの作業としてもご相談いただけます。

幼虫による痕跡(木屑・排出痕)を極力崩さないよう保ち、ご相談ください。
》バラの作業について【参考情報】はこちら

※手入れの時季が重なるため、スケジュールの状況により、お待ちいただく場合がございます。

作業の対応エリア・地域

バラの作業は、拠点とする東京都東大和市のアトリエから、杉並区・武蔵野・多摩地域を中心に、神奈川県と埼玉県一部のエリアにて活動しています。

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