バラの冬作業では、枝の誘引に剪定、土壌の見直しや施肥など、バラの状態に見合う手入れを行い春の風景をつくります。

バラの年間管理をご予定している、杉並区のガーデンへ。
つるバラとアーチ

庭への入り口に誘引している、つるアイスバーグは、庭づくりの開始時に植え替えをしているため、一時は調子を落としてしまい、状態が安定するまでに時間を要していましたが、細枝ながらアーチの半分を超えて来ました。
株から広がる枝がアーチとは反対の流れになる、フェンス側の枝もだいぶ増えました。
花壇と植栽(ウッドフェンス裏側)

フェンスの裏側は、昨年末の作業で園路の位置がおおむね決まり、つるバラの前方に花壇をつくり木立バラを合わせるイメージになりました。
花壇のレンガ(仮置き)固定はしばらく先の予定になるので、バラの植え込みを先行し、春までに何本か植え込めるかも知れません。
パーゴラのバタースコッチ

パーゴラへの誘引を軸とするバタースコッチ。今回は前方フェンスの誘引作業になるので、ひとまず誘引を解いて後の作業へ回します。
つるバラの誘引(アイスバーグ)

ゲートからフェンスに掛けて、つるアイスバーグの枝が充実してきました。
フェンスの足もとをカバーする小輪のバラが伸びてきたので、ブロック部分にアンカーを打ち、枝を流せるような誘引設定を新たに組んでいます。

枝の量はそこまで多くありませんが、フェンス全体に枝を広げることができ、ゲートまでの誘引作業が完了しました。
ローズヒップ(ロサ・ムリガニー

冬の作業を何回かに区切らせていただいているので、ローズヒップは観賞期間をながくとり、後の作業での収穫としています。
2月を過ぎると野鳥(ヒヨドリなど)の収穫時期と重なり、先に収穫した分も外に置いてあれば、何時の間にやらなくなります。
倉庫周りの風景(裏庭)

裏庭はエクステリア作業に取り掛かれていないため、倉庫周りは借りの風景としてつるバラを仕立てています。
先行し枝を広げて置くことで、日照条件による枝を伸ばした先での花付き、葉や枝の状態を観察できます。
また、バラの咲いた雰囲気を眺めることで、パーゴラやアーチなど風景を形にするために必要となる、エクステリアや施工のイメージにつなげます。
外壁面への誘引作業


その場所の日照環境は、枝の状態からある程度は感じることが出来るので、日照をイメージしながら無駄のないところで枝を広げています。

そこまで日照の多い場所ではない印象でしたが、昨季の花後から秋の手入で、思いのほか遅くまで日が入っている事を確認しており、ご提供頂いた春の雰囲気からも花を期待できる場所であることが伺えます。
風景を広げて行く上でポイントに成るであろう場所は、開花時の写真を頂き、冬作業の時点でイメージした雰囲気と春の結果とのずれを確認し、設定の見直しと改善に努めます。
奥のゲート(モッコウバラ白)

倉庫からバックヤードを通り、メインガーデンへつながる「白のモッコウバラ」を誘引している奥のゲートへ。
以前にも触れていますがバックヤードには資材を置かせていただき、雨宿りが出来たりと何かと助かっています。

奥のゲートから眺めるメインのガーデン。
モッコウバラは鉢植えで、置き場所を保留にしていましたが、鉢底から根が抜け出してきた様子も感じられ、ここが定位置になりそうです。
モッコウバラの剪定とアーチへの誘引

バラの新芽が動き出す時季に入っても冬作業は行えますが、葉を落とし辛いモッコウバラは、芽が動いてしまうと通常通りの作業では対応が困難になってしまうため、手入れの時季が遅くならないよう前半の作業に組み込んでいます。
芽が動き出してしまえば、新芽を傷めてしまうリスクは常にありますが、季節ごとに適切な手入れを行っている場合には、スキル次第でそれなりの対応(仕立て)が可能になります。
※通常の仕立てや扱いと異なる部分はあります。
- 枝の絡みや誘引の状況次第によりますが、芽吹きが進んでからの方が手を入れやすいケースもあります。

モッコウバラが担当する風景は裏のゲート周りのみになり、枝の量を抑えラフな雰囲気で仕立てています。
もう少し良い枝が欲しいところですが、株を定着させ枝を広げるにはスペースが狭いため、定位置になったとはいえ、鉢底から抜ける根の調整は必要かも知れません。
つるバラのドームとパーゴラ

次回の作業では、ピエールドゥロンサール(アイアン・ドーム)紫玉、グラハムトーマス(パーゴラ)などの誘引作業を予定しています。
- バラの冬作業(杉並区の庭)レポートは、こちらのページに追加して行きます。