バラの季節管理では、葉の病気や害虫への対処、枝を育てる誘引に景観を整える剪定など、季節ごとの手入れを行います。

バラの年間管理をご予定いただいている、練馬区のガーデンへ。
バラの状態に合わせた手入れ

3月上旬ごろに冬作業を終えている練馬区の庭では、アトリエ(東大和市)よりも葉の展開が早いようで、壁面やガゼボに誘引した枝からは緑の葉深まりを感じました。


春の手入では、冬作業後に伸びて来た枝の調整、葉の病気や新芽や蕾を害する(バラゾウムシやハバチ類)害虫への対処を状況に合わせて行います。
日照環境の良い壁面では、花を咲かせているアイスバーグの姿も。
バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)


庭に到着しバラに目を向けると、バラゾウムシによる枝先への被害の多さが目に付きました。
枝先の枯れ込んだ葉の状況から、100匹は下らないであろうバラゾウムシが留まっていると判断し、気配を察知されないよう見回りを切り上げ、枝の手入れよりも先に薬散を行う事に。
1. バラへの薬散(1回目)


春の手入は短時間の管理で終わるケースが多く、害虫の発生するタイミングを見計らい、2回で1回の作業として予定しています。※庭の状況により1回とするケースもあります。
1回目の手入れとなる今回は、バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)に対する直接の噴霧(殺虫)を目的とした薬散を行います。
バラゾウムシは警戒心が非常に強く、気配に敏感(身を隠すか飛翔)なので、適度な距離を測れる装備と方法を用いて対処にあたりました。
2. 春の手入れを行う利点

距離を取っていても目視できた個体はかなり多く、薬散を終えた足元から、目に付いた100匹ほどのバラゾウムシ(バラクキハバチ×1)を回収しました。
加害を多く感じていた中庭などは土面に落下しているので、おそらくは250匹前後の個体が発生(加害)していたのではないかと見ており、先の葉だけで加害が収まっている枝もありますが、蕾を落としてしまった枝も多く見受けられました。
次回の手入では被害状況の確認を行い、バラゾウムシに加え後続となる害虫(チュウレンジハバチ・オオシロオビクロハバチなどのハバチ類)への対処を視野にいれ、花の損失を少しでも抑えられるよう取り組みます。
春から秋に掛けての管理
- 定期的な手入れによる利点はとても多く、作業を分散することが出来るため、取り組みごとの質と効率の向上につながります。また、整えた状態を次の作業に引き継げるので作業時間の短縮に働きます。