バラの季節管理では、春から秋にかけバラの育成に携わり、庭の景観を整える作業を行います。
花後の管理では、花がら切りに枝の調整、バラの状態に合わせた手入れを行います。
花後の手入れ
バラのシーズンが終わり、国立市のガーデンへ。
パーゴラから枝垂れるランブラーローズ「サンダースホワイト」から花後の手入れを始めます。
定期的にバラを管理している庭では、効率良く回れるように手順を立てており、剪定の順番や脚立をたてる位置まで、おおまかに決めています。
アーチには「シャンプニーズピンククラスター」を誘引しており、繰り返し咲の蕾が多く付いていたので剪定を少なく軽めの誘引でまとめています。
高所での剪定
脚立を開いて立てかける高所の作業では、枝やトゲが体に絡まないよう剪定しながら、上部では動きを控え、高枝ばさみを用いて整えて行きます。
無理な態勢を取らないよう手を伸ばす範囲を絞り、こまめに脚立を動かします。
カミキリムシを発見
手入れを終えたバラを見返すと、数分前には居なかった「カミキリムシ」が目に留まりました。
カミキリムシは、いつ飛来して来るのか分からないので、作業中は位置を変えるたびに周囲を見渡し、発見の確率を高めています。
葉に溶け込まない色合いと広げた触覚、もしやカミキリムシでは・・
アイアンフェンスに結ばれた青い麻紐は「違うだろうな」と思いながら、とりあえず確認するくらい類似性を感じる組み合わせでした。
目にとまる違和感はまずまず近いので「まったく似ていない」と思われるより、これが気になるくらいの方が、カミキリムシの発見確率を伸ばせるのではないかと思います。
カミキリムシ幼虫への対処
バラの冬作業(11月~3月ごろ)では、壁面に誘引している「つるアイスバーグ」高さ3mほどの枝から、カミキリムシの幼虫を駆除しています。
こちらの庭では、花後の手入れから冬の剪定作業までに、5~7匹前後の幼虫を駆除するケースが多く、上部の枝からも例年1~2匹の幼虫を退治しています。
窓周りの誘引設定
窓周りは、全体をバラで覆う誘引の設定を組んでいます。
反対に窓への干渉を避けたいなど、仕立てで雰囲気が変わるようなケースでは、ご希望(お好み)をお伺いし、風景の形を決めて行きます。
アルシデュックジョセフ
花後の手入れから秋の手入れまで「アルシデュックジョセフ」は、どの時季に来ても咲いている印象です。
ローズヒップ
窓周りの誘引設定と同じく、ローズヒップは例年通り気持ち程度で残しています。
つるバラと木立バラの手入れを終え、株周りの清掃、追肥(お礼肥)を行い、花後の手入れを仕上げます。先ほど駆除したカミキリムシは、すでに産卵を終えていると考えることもでき、後続が飛来してくる可能性もあるので、株周りの視界を開いておき幼虫による被害(木屑)の発見に備えます。
次回は、夏の手入れ(7月~8月ごろ)の予定です。
夏の手入れ
国立市のガーデンへ、夏の手入れに入りました。
庭のフロント部分にあたるパーゴラの手前、フェンスと繋がるアーチ、高所にあたる建物壁面からパーゴラの奥へと進めて行きます。
木立バラの剪定は気分転換にもなるので、脚立から下りての移動や清掃をするたびに手を入れています。
パーゴラから枝垂れていた「サンダースホワイト」の枝を整え、庭の眺めが落ち着きました。
高所となる壁面は、浅めの剪定と軽めの誘引で調整しています。
夏の手入れでは基本的に誘引は解きませんが、伸ばしたい枝が可動域の少ない古枝の下にもぐり込んでしまうと、冬作業時には入れ替えが困難になってしまうケースがあるので、周りの枝の誘引を解き枝を入れ替えています。
剪定したアイスバーグの枝にイラガの繭が付いていました。
発生率は環境により異なりますが、僕の担当している庭だと、探しても見つからないケースの方が多いです。
今季は「ウメスカシクロバ」を多くの庭で見かけています。
カミキリムシによる株元の木屑
バラの剪定作業をひと通り終え、株周りの清掃を開始。
2本の木立バラから、カミキリムシの幼虫(テッポウムシ)による木屑(食害痕)が見つかりました。
動かせない植木鉢なので、花壇側からもフェンス側からも対処し辛い場所になりますが、何回も対処している場所なのでノウハウもあり、それぞれに回りながら処置にあたります。
痕跡(木屑)はヒントのひとつとして消さないようにして置き取り組みますが、しっかり残っていても特定までに時間の掛かるケースも多くあります。
時間にゆとりがあるようなら、無理をせず翌日に回して見るのも良いでしょう。
幼虫(テッポウムシ)の駆除
動かせない植木鉢を挟み、1本目となる木立バラから、幼虫(#1)の駆除に成功しました。
フェンスの隙間と下からなんとか・・。手が入らないため簡単ではありませんが、道具すら動かせないケースもあるので、まだまだ良い方です。
2本目の木立バラは想定よりも被害が深く、幼虫の排除には至りませんでしたが居場所を特定し薬にて処置(#2)を行いました。
幼虫に空けられてしまった穴(食害痕)には、土や虫を入れたくないので塗布材を用いて塞いでいます。
どの時季に来ても咲いている
「どの時季に来ても咲いている印象」と花後のレポートに書いていますが「アルシデュックジョセフ」は、咲いていました。
次回は、秋の手入れ(10月月ごろ)の予定です。
- 秋までの作業レポートは、こちらのページに追加して行きます。