バラの冬作業では、枝の誘引に剪定、土壌の見直しや施肥など、春の風景を形にする手入れを行います。
夏の手入れと冬の作業をご予定している、青葉区のガーデンへ。
春の風景より
こちら青葉区の庭では、飛来して来るカミキリムシにより例年多くの被害(20匹前後)を受けていますが、昨季は10匹未満とかなり減少し、今季夏の手入で発見できた被害個所は1ヵ所のみでした。
庭に飛来し産卵を行う成虫(メス)は数匹程度と思われ、1.2匹違うだけで被害数も大きく前後することから、近隣の数ある発生元の変化(成虫の減少)と考えるより、羽化した成虫が飛翔した日の風向きが良く、着地場所から反れたくらいのことかも知れません。
来季も反れてもらえるのならそれに越したことは無く、被害が減少したことの変化は形に表れており「今季シーズンの花は、ここ数年ではかなり良かった」とのご報告を頂いています。
つるサマースノー
階段周りの空間では、アーチからポーチに掛け、アルベリックバルビエが枝を伸ばして、フェンスの裏からはプロスペリティーとバフビューティが枝を立ち上げ、つるサマースノーがサイドから加わり風景をつくります。
フェンス周りに植わる3本は、幼虫による食害を立て続けに受けているため、ダメージの払しょくには至っていませんが、つるサマースノーが良い枝を少し増やしてくれたので、より良いところで花を咲かせてもらえるよう枝を入れ替えました。
カミキリムシによる例年の被害
カミキリムシ幼虫により受け続けているダメージの蓄積はもちろんのこと、土壌環境の影響であったりと品種本来の調子をには遠く及んでいない状態ですが、被害のなかった今季を足掛かりに調子を上げてもらえたら嬉しいですね。
アルベリック・バルビエ
フロントガーデンのメインローズとなるアルベリックバルビエは、中庭(アーチ横)に植わっており、フロントの壁面からアーチを経由しポーチへと枝を伸ばし、広い風景を担当しています。
葉と小枝を落とし枝を選別
フロント側の壁面に誘引しているアルベリックバルビエとつながりのある階段付近のバラ(アーチとフェンス)の葉と小枝を落とします。
例年の手順では、階段周りの手入から入り中庭のパーゴラへ進みましたが、今回は気分を変えてフロント側の手入れを進め行くことに。
枝の更新と剪定
ひと通り葉を落とし終え、枝の様子が伺えるようになりました。
ここからは誘引を解きつつ、見切れる範囲で一段深く枝を減らして行きます。
枝の長いランブラーローズの手入では、誤った剪定をしてしまったり、トゲが引っ掛かり途中で折ってしまったり、枝を解すところで傷めてしまわないよう注意します。
軸にしたい枝は先の段階で見えてくるので、流れが掴めたところで誘引しています。
壁面へ枝を誘引
木化の進んでいる中間の枝は、他の枝では届かないところまで伸びているので活用しています。
古い枝=剪定(更新)の対象ということはなく、新しい枝の全てが良い枝にあたるかと言えばそうでもないので、保有しているシュートや芽の様子などから収まりの良い枝を選び形をつくります。
壁面への誘引作業が終わり、状態の良い枝を全体に振り分けることが出来ました。
中庭のアーチ周りもアルベリックバルビエですが、枝の流れで区切ることが出来るので来年の作業としています。
カミキリムシによる例年の被害
今季のアルベリックバルビエは、カミキリムシの幼虫による食害を受けていないこともあり、枝の状態からも調子のよさを感じることが出来ました。
誘引の仕上がりから見ても、春の花を期待して良いと思います。
ローズヒップ(ロサ・ムリガニー)
沢山のローズヒップを残しているロサムリガニーは、アルベリックバルビエと並び、フロントのメインローズになります。
カミキリムシには今季も入られ、これまでに何匹の幼虫を駆除したか覚えていませんが、軽微な被害で抑えられれば、樹勢の強さから持ち直しの方が大きいようにすら感じています。
次回の手入が楽しみな1本です。
フランソワ・ジュランビル
後半の作業へ回った、パーゴラのフランソワジュランビル。
中庭では、クリスティアーナ、ボビージャームズ、コーネリアなどの手入れを予定しています。
- 2月ごろに行う冬作業(後半)のレポートは、こちらのページで更新して行きます。